枠からはみ出す取材の方法
こんにちは。コンテンツディレクターの小田です。
先週、2日間にわたる12月の取材・撮影が無事終了しました。
お天気にも恵まれ、とても順調に進行することができました。
これも役場のみなさまはじめ、三好市のみなさまのご協力、
パートナーであるカメラマンさん、アシスタントさん、ライターさん、
プロジェクトメンバーひとりひとりの入念な準備があってこそ。
私たちは本当に人に恵まれて仕事ができているなあと実感しました。
外から見てどんなにかっこいいデザインができたとしても、
中身の読み物がおもしろくなければ、
読み手の記憶に残る体験を提供することはできません。
私たちは12月の取材に備えてこの2ヶ月間、さまざまな準備を行ってきました。
既に世の中にある「“人”が魅力的に見えるコンテンツ」を
プロジェクトメンバー間で共有し合って、
それがなぜ魅力的に見えているのかを分析したり。
分析した結果、このプロジェクトでやりたいこと、やる必要があること、
やらないこと、やる必要がないことを決めたり。
(意外とこの「やらないこと」「やる必要がないこと」が重要だったりする)
徹底的に議論し続けることによって、
いま制作しているもののコンセプト、編集方針、名前を決めることができました。
(早くお披露目したいです……!お楽しみに!)
今回、いちばん難しいかなと心配していたのが、取材の進め方。
準備が大切とはいえ、肩肘はって話を聞きに行ってしまっては、
三好のみなさまの自然体の魅力を伝えることができないのではないか……。
かといって準備が足りない状態でお邪魔しては、
想定外のことが起こったときに対処できず、ご迷惑をかけてしまう。
記事にするには十分でない内容しか聞くことができなくないのではないか……。
そういう心配が残っているときに私自身が心がけていることは、
- 記事で、どんなひとが読み手で、その読み手にどういう変化を与えたいのかを
プロジェクトメンバー全員でしっかり共有し合うこと。
- 想定される原稿のテーマと展開案は、何パターンか考えておくこと。
このふたつの準備は入念に行うとしても、この準備の枠に記事がおさまってしまったら、それはそれでつまらないので、取材の現場で「この枠をいったん壊す」ことを行います。
例えば、
- 取材の中で気になったキーワードを深掘りして、
ご本人が今まで考えたことなかったことを口にしてもらえるようにする。
- あえて話を脱線させるために、ざっくばらんに雑談をはさむことも。
場の空気も和むし、考えずに言葉にすることに重みがあったり、
ありのままの日常があったりする。その場の楽しさはダイレクトに表れる!
- うかがった話を「ってことは」「そうすると」「まとめると」などの言葉で、
聞き手である自分がどう思って、どう感じたのかを整理してお伝えすることで、
認識が合っているかを確認する。違っていれば遠慮なく否定してもらう。
そうすることで、うかがった話が、2歩も、3歩も、飛躍できる。
- 取材が終わった後に、気になったことを、気軽に聞いてみる。
このタイミングで聞けた内容に、新たな発見があることが多い。気軽に粘る!
などなど。どんどん枠からはみだして、ありのままの魅力を存分に引き出します。
三好のみなさまは、私たちをあたたかく歓迎してくれて、
すんなりと受け入れてくださったので、これらがスムーズに進み、
取材も撮影も大成功できたのだと思います。
今は、みなさまと過ごした楽しい取材の時間を、
文章にして、デザインにして、かたちにして、誰かに届けたくてうずうずしています。
一年の最後にこのような取材ができたこと、とてもうれしく思います!
ご協力いただいたみなさま、この場をお借りして感謝申し上げます。